はじめに
月末になるとそれぞれの取り扱い商品の違う部門ごと、その月の売り上げデータを経理処理にExcelファイルとして提出します。これまでは、経理処理が手作業でこれらの売り上げデータを集計し、各顧客に対して請求書を発行していました。しかし、この手法は時間と労力を要し、わずらわしく人的エラーのリスクも高いものでした。そこで、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、Pythonを使って売り上げデータを自動的に集計し、請求書を発行するシステムを開発・導入することにしました。本記事では、そのシステムの開発プロセスと効果について紹介します。
書いているのはこんな人
システム導入の背景
経理の負担を軽減し業務の効率化のために、以下の問題点を解決することを求めていました:
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手作業の多さ: それぞれから提出されるExcelファイルを手作業で集計し、請求書を作成するのは非常に手間がかかる。
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エラーのリスク: 手入力によるデータミスや集計ミスのリスクが高い。
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時間の浪費: 手作業での集計と請求書作成に多くの時間がかかり、他の業務に支障をきたす。
これらの問題(課題)を解決するために、Pythonを用いた自動化システムの開発に着手しました。
システムの設計
システムは以下の機能を持つことを目指しました:
- Excelファイルの読み込み: 各部署から提出された売り上げデータを自動的に読み込む。
- データの集計: 読み込んだデータを部署別および顧客別に集計する。
- 請求書の生成: 集計データをもとに、顧客ごとの請求書をPDF形式で自動生成する。
- レポートの作成: 全体の売り上げレポートを生成し、管理者に提供する。
使用するライブラリ
実装の詳細
1. Excelファイルの読み込み
各部署から提出されたExcelファイルは、指定のフォルダに保存されます。Pythonスクリプトは、このフォルダ内のすべてのExcelファイルを読み込みます。
2. データの集計
読み込んだデータを基に、部署別および顧客別に売り上げを集計します。
3. 請求書の生成
集計データをもとに、各顧客ごとに請求書を生成します。
def gen_invoice():
with open(infile. "mt") as mp:
users = json.load(mp)
for name, data in users.items():
make_user_invoice(name, data)
def make_user_invoice(name, data):
book = excel.load_workbook(sample_file)
sheet = book.active
sheet["C6"] = name
sheet["F9"] = subject
sheet["F11"] = total
よくあるエラーと解決方法
AttributeError: 'MergedCell' object attribute 'value' is read-only
これは、エクセルの広く使いたいセルなどの時に「セルの結合」をよく使いますが、この「セルの結合」されているから書き込みできません。 という、エラーです。
解決方法はテンプレートのエクセルの「セルの結合」を解除しましょう。
導入後の効果
システム導入後、課題となっていた経理処理の作業時間は大幅に短縮され、人的エラーもほぼゼロに抑えられました。具体的には以下の解決効果が得られました:
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作業時間の短縮: 手作業での集計作業が不要となり、月末の請求書発行作業が迅速に行えるようになりました。
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正確性の向上: データの自動集計により、エラーの発生率が劇的に低下しました。
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コスト削減: 業務効率化により、人的コストが削減されました。
まとめ
本システムの導入により、経理は業務効率を大幅に改善し、人的エラーを防ぐことができました。これにより、課題解決とより戦略的な業務にリソースを割くことが可能となり、全体的な生産性向上に寄与しました。今後もDXを推進し、さらなる業務効率化を目指していきます。
ご相談や制作依頼などお気軽にお問合せください!
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